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災害ボランティアと学校の連携で防災教育に取り組もう!

科学教育研究協議会第54回全国研究会(愛知大会)2007/08/04/05

社会と科学教育分科会 中京大学附属中京高等学校

Hu Tiang TODA
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目次

  1. 東海豪雨に被災経験より
  2. 私たちの住んでいる地域はどんなところか
  3. 水辺に生える植物
  4. 法務局の地籍図でその土地の過去を知る
  5. 海溝型地震と内陸直下型地震
  6. 地震の揺れと建物の応答
  7. 耐震診断と耐震補強工事
  8. 自治会や老人会の地震防災学習会に協力する
  9. 災害ボランティアと学校の協力で防災教育に取り組もう!
  10. 防災に関する資料紹介
  11. まとめ
東海豪雨

1.東海豪雨の被災経験より

東海豪雨
  1. ボランティアに助けられて
  2. サークルと科教協の仲間よりの救援
  3. ボランティアの何気ない言葉にショックを受ける。 退職を前にした君のごみをかたずけに来た。
    ボランティアにとってのごみも被災者にとっては宝
  4. 東海豪雨の被災現場
    浮力の強さ浮力の強さ
    内水氾濫で2m30cm水没
    水没した理科準備室水没した理科準備室
    内水氾濫の水位
    アルカリ金属の瓶が行方不明
    教育用放射線源が水没の問題
濃尾平野

2.私たちの住んでいる地域はどんなところか

濃尾平野 水害に被災して改めて改めて濃尾平野がどのようにしてできたかを学ぶ
  1. 濃尾平野の微地形と構成
  2. 濃尾平野の傾動運動1.1m/千年
  3. 気候変動と海水面の昇降
  4. ウルム氷期の最盛期(2万年前)には海水面が今より130m下がっていた。名古屋には渓谷があり、伊勢湾は陸上になっていた。 ウルム氷期OHP
  5. ウルム氷期の最盛期の地形は沖積層基底面より分かる
  6. 名古屋市消防局地質断面図より濃尾平野の歴史を知る
  7. 東海豪雨、伊勢湾台風の被災状況と東海・東南海地震ハザードマップを比較する。
    災害は不公平に起こる。
  8. 土地条件図、古地図、貝塚の分布図より地盤の硬軟を推定
  9. 古い地名を大切に
    万葉集に詠まれる魚年潟(あゆちがた)
    桜人『尾張名所図会名古屋百景』より
    「桜田へ鶴鳴き渡る魚年潟潮干にけらし鶴鳴き渡る」

更級日記に登場する鳴海潟
「をはりの国、鳴海の浦をすぐるに、夕潮ただ満ちに満ちて、今宵宿らむもちうげんに、 潮満ち来なば、ここをも過ぎじと、ある限り走りまどひ過ぎぬ」

名古屋市などで軟弱地盤が想定される地名

桜田、塩田、込高新田、植田、島田、池下、曽根、亀ヶ洞、古川町、広池町、八田、
深田町、堀田、鶴舞、大曾根、船方、笹島、飛島、長島、津島、川内、高知、蛇子連、 ハノイ( ベトナムも漢字圏であり、漢字で書くと河内となるとのことをベトナム人の友人から)

蛇子連

前から気になっていて地学専門の方にも尋ねてみたこともありました。蛇子連とどう読んだらいいのでしょうか。
私の実家の近くにある地名です。地元の人はよく”じゃこれん”といっていますが、どうも違っているようです。
”じゃこづれ”と読むのだろうと思います。なぜこの読み方が気になったかというとよく似た発音に、軟弱地盤を示す”砂崩れ”を連想させるからです。
この辺りの地質も火山灰のようで土砂崩れを起こしそうなところだと思います。
インターネットで”じゃこづれ”で検索をかけたら地元の方のブログにそのことが紹介してありました。(2021/02/13)
蛇子連(じゃこづれ) 蛇籠(じゃかご)でがけ崩れを防ぐとのことです。蛇籠(じゃかご)の写真も載せてありました。
私も現地で確認してみようと思います。

水辺に生える植物

3.水辺に生える植物

水辺の植物
  1. ネコヤナギなどヤナギ類、ハンノキ、アカメガシワ、ハルニレ、アキニレなど
  2. ヨシ、ツルヨシ、ガマ ガマ、 イヌタデ、ミゾソバミゾソバ 、セリ、イ、ウキヤガラ、マコモ、
    ヤナギタデ、クログワイ、カワラヨモギ、ハッカ、カワジシャなど
    これらのリストは(株)パワー社 村上、木下著『ホタルを飛ばそう』を参考にしました。
  3. 宅地造成工事をするとき埋め立てて、盛り土をしていても元の地形が池であったり、 谷筋であったところには地下水が溜まったり、
    流れやすいため、水辺や湿地帯に見られる植物ヨシ ヨシ やイシクラゲ イシクラゲ などが生えている。
    [参考文献]『理科教室』2012年11月号 「生物基礎で細胞をどう教えるか」濱中修 p。55
    住宅建設で1mほど地面を削ったときに一直線に並んで生えてきたのが、ヨシです。
    ヨシが生えてきたところでは地下水が流れていることが推測されます。イシクラゲが生えているところは元は池だったところです。
  4. 雨が降った後路面がぬれたところと乾いたところがあるのはなぜでしょうか。下のでもその違いがはっきりと判りますね。
    それはこの土地の過去について調べるとわかります。この辺りは40数年前に大規模に宅地造成が行われました。
    昭和初期など古い地図を調べてみると、この辺りは谷の部分と尾根のところがありました。 その尾根を削って谷を埋め、段差の少ない高台となったようです。
    大規模に造成され、ありがたいことに一番狭い道でも幅が6m確保されていることです。
    しかし、何年たっても尾根を削ったところと谷を埋めたところでは大きな違いがあります。
    雨が降った後、尾根があったところは水はけがよくすぐに乾くけれど、 谷を埋めたところでは現在も谷に沿って地下水が流れ続けていることでしょう。
    宅地造成で埋めたところは数十年経っても軟弱なままです。
    このように考えれば雨の後の道路の濡れ具合の違いを理解できるのではないでしょうか。
    このようにして雨後の舗装道路の濡れ具合 雨後の濡れ具合 から埋め立てたところなど軟弱地盤であることが分かります。
    この写真はヨシが生えてくる場所近くの工事前の姿です。雨あがりに濡れている部分は谷を埋め立てているところと考えられます。
    濡れているあたりからは黒い田んぼと思われる土が見られました。
    またこのような土地は野菜作りではサトイモ(水芭蕉と同じ仲間)が向いています。
  5. 埋め立て地と切土の境界では盛り土の側が下がり、石垣にはひび割れ 大谷石のクラック が現れます。
    上の写真で雨の後地面が濡れているところと乾いたところの境目にこのように大谷石の割れ目が見つかりました。
    大谷石はもろくこれを使った石垣であまり高いものは危険です。
  6. 埋め立て地はそれなりの 地盤改良工事 地盤改良工事を行わなければならない。
    ここは上に示したイシクラゲが生えてきた場所で軟弱地盤とみられるためにこのような地盤改良工事が行われたものと思われます。
    法務局の地籍図で調べるとここは埋め立て前はため池であったと確認できます。

【参照】名古屋市大規模盛り土造成地マップ・名古屋市都市計画情報提供サービス
1978年、2003年の宮城県沖地震における軟弱地盤の被害がこれを示している。
2011年3月の東日本大震災のときには広範囲で液状化も確認されています。

法務局の地籍図

4.法務局の地籍図でその土地の過去を調べる

土地の過去

土地の地番を知らせ、地籍図を閲覧すればその土地の過去の状態を知ることができます。
墨で描いた古い地図も見せてもらいましょう。トレーシングペーパーを持っていけば写してくることもできます。
(現在ならば簡単にコピーを手に入れることもできるでしょう) 我が家の建築時にはこの方法を採りました。近くに昔ため池だったところも記されていました。

海溝型地震と内陸直下型地震

5.海溝型地震と内陸直下型地震

海溝型地震と内陸直下型地震
  1. 東海・東南海地震は海溝型地震
  2. 阪神・淡路大震災は内陸直下型地震による被害
  3. 大陸移動説、折れ曲がった日本列島
  4. 中部地方の活断層 私の実家も断層の上?
  5. 根尾谷の断層根尾谷断層、 三浦半島の断層三浦半島断層 三浦半島のメランジュ三浦半島メランジュ
地震の揺れと建物の応答

6.地震の揺れと建物の応答

地震の揺れと建物の応答
  1. 建物は逆さ振り子である。ブランコをこぐのは地震で建物が揺れるのと同じ建物が揺れるのと同じ cf.振り子の共振 アンパンマンがブランコ
  2. “台車ぶるる”と”紙ぶるる”で地震による建物の揺れを学ぶ
  3. 阪神大震災における死因、災害時の3つのハードル
  4. 地震に弱い建物には耐力壁や筋交いが少ないか、壁量のバランスが悪い。
  5. 東京大地震の揺れ、木造二階建ての固有周期、地震動と建物の応答、水平力による柱の抜け出し

7.耐震診断、地震補強工事と家具固定

耐震診断、地震補強工事と家具固定
  1. 阪神・淡路大震災による死亡者の主な原因は何か。
  2. ことわざ「地震・雷・火事・親父」の伝承を
  3. 耐震診断の申し込みを
  4. 耐震補強工事の補助制度
  5. 耐震補強工事はリフォームのときがチャンス
  6. 家具固定の講習会でボランティアの養成を
  7. 地震に弱い建物
  8. ブロック塀を生垣に変える工事で自治体により補助もある
地域の地震防災学習会に協力

8.地域の地震防災学習会に協力

地域の地震防災学習会
  1. 鳴海ニューハイツ自治会地震学習会(2007/11/25)
  2. 鳴海東部老人会、緑区老人会における東海地震学習会(2007/03/13)
  3. 緑区生涯学習センターの講座に協力
  4. 名古屋みどり災害ボランティアネットワークの副代表として活動した
  5. 天白区避難所リーダー養成講座(第三回)に講師として東海豪雨災害時の様子を報告(2207.11.11)
  6. 地域防災訓練でボランティアセンターの立ち上げ訓練、防災啓発活動
  7. 住んでいる町を歩いて危険個所をチェックし、地域の防災マップ作り
  8. 家具固定の講習会
  9. 児童館などで防災カルタ会
  10. 身近にある材料を使って防災かまどを作ろう(コンクリートブロックでも製作可能) 災害時用かまど 災害時用かまど2
災害ボランティアと学校の協力で防災教育に取り組もう!

9.災害ボランティアと学校の協力で防災教育に取り組もう!

  1. 総合学習や課題研究の授業に防災を取り上げよう。
  2. 地域防災活動に学校として参加を
  3. 無線従事者免許を取得(H.17.4.22)
  4. 防災士資格を取得(H.18.1.28)

10.まとめ

まとめ
  1. 日本では地震の活動期に入った。
  2. 警報もなく、突然地震が起こる可能性が大きい
  3. どんな対策でもやっただけの効果はある
    何からでもよい。まず一歩を踏み出そう。
  4. 一人の百歩より百人の一歩
  5. 学校教育に中にもっと防災の視点を
  6. リフォームのときは耐震補強工事のチャンス
  7. 地震対策をして救援者の側に!
  8. 地域における日ごろの付き合いを大切にしよう
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11.防災に関する資料の紹介

防災に関する資料
地震防災資料・文献・デジタル資料・映像資料・ホームページ
題名著者・編集者出版元発行年月日
名古屋市地質断面図集名古屋市公害対策局名古屋市1987/06/30
愛知県活断層アトラス愛知県防災会議地震部会愛知県1996/03/31
愛知県活断層 その2 活断層文献調査研究 三河地域愛知県防災会議地震部会愛知県2000/03/31
愛知県活断層 その1 活断層文献調査研究 概要と評価愛知県防災会議地震部会愛知県2002/03/31
愛知県活断層 その2 活断層文献調査研究 尾張地域愛知県防災会議地震部会愛知県2001/03/31
木造建築を見直す坂本功岩波新書2000/05/19
庄内川新川洪水ハザードマップ消防局防災部防災課名古屋市2003/05/31
天白川洪水ハザードマップ消防局防災部防災課名古屋市2003/05/31
日本の地震と大地を学ぶ嘴本格著・江川多喜雄編著星の環会1999/03/01
災害救援野田柾彰岩波新書1995/07/20
活断層松田時彦岩波新書1996/02/05
新修名古屋市史 第八巻 自然編新修名古屋市史編集委員会名古屋市1997/03/31
東海地震がわかる本名古屋大学災害対策室東京新聞出版局2003/04/10
地震から我が子を守る防災の本国崎信江リベルタ出版2003/08/31
被災地の叫び 第三巻 阪神淡路大震災地球タイムズ地球タイムズ2005/02/13
土地条件図 名古屋南部国土地理院国土地理院1975/03/
土地条件図 名古屋北部国土地理院国土地理院1974/11/
都市活断層図 中京地区建設省国土地理院(財)日本地図センター1996/09/
名古屋地域地質図編著 土質工学会 中部アルプス社1988/01/
日本の活断層 中部・近畿・中国・四国・九州活断層地図中田高 今泉俊文監修人文社 2005/11/30
日本のプレート境界型地震地図人文社編集部人文社2006/07/
「名古屋」1:25000デジタル標高地形図国土地理院(財)日本地図センター2006/08/24
名古屋市遺跡分布図(緑区)名古屋市養育委員会名古屋市2005/03/31
天保の村絵図 緑区域解読版山口輝雄2006/11/
防災学習システム 愛知県 
スマトラ沖地震による津波映像Kamsan Mesjid Raya2004/12/26
木造住宅の耐震化対策 
模型実験による木造住宅耐震化対作のポイント
名古屋大学 福和研究室 NPOレスキューストックヤード2005/07/02
活断層詳細デジタルマップ中田高 今泉俊文東京大学出版会2002/05/20
1964年新潟地震液状化災害 ビデオ・写真集社団法人 地盤工学会丸善(株)出版事業部 2004/06/30
数値地図5mメッシュ(標高)名古屋国土地理院刊行(財)日本地図センター 2005/03/01
報道写真&記録DVD 10.23新潟県中越地震 1年の記録新潟日報社 BSN新潟放送 新潟日報事業部2005/10/23

手持ちの防災資料の一部を紹介しました。地震防災資料のリストをご入用な方はご連絡ください。


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