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梅の放射能分析からカリウム量を推定する

自然界にどこでも存在する避けられない放射能があります。それは梅の放射能測定分析結果のグラフにもはっきりと表れています。
19K40です。これは身の回りにあるすべてのものに含まれています。
地面や建物からも19K40の放射線がβ線とγ線が出ています。
木造の建物よりもコンクリートの建物からの方がたくさん出ています。
さらには私たちの身体からも出ています。
避けられないけれど、これを利用すれば岩石の出来た年代を調べることができます。
ここでは放射能分析をしてもらった梅に含まれるカリウム量を推定してみましょう。

梅の放射能分析からカリウム量を推定する

放射能関係の本で調べると次のような二つの過程で放射線を出しています。

  1. 19K40 →  18ArK40+γ 核外電子捕獲(EC) エネルギーは1.461MeV
  2. 19K40 →  20CaK40+β β崩壊 平均エネルギーは1.33MeV
二番目の過程は三体崩壊のためにβ線のエネルギーは広がりのある分布をするため平均的なエネルギーしか議論できません。
梅に含まれる放射性カリウム-40の量を測定するには一番目の過程を利用するのです。
我が家で取れた梅から測定された放射能は 79.8 Bq/kgとのことです。
この分析結果からどのように梅に含まれるカリウムの量を推定するのでしょうか。

放射能測定分析データのほかに次のデータを用います。

  1. 放射性崩壊の過程1の割合 11%
  2. 19K40 の半減期 T=12億8千万年 = 1.28*109*365*24*60*60 秒
  3. 自然界のカリウム中の19K40の存在比 = 0.012 %
  4. 2の自然対数 loge2=0.6931418
  5. アヴォガドロ数NA=6.02*1023
  6. カリウムの原子量 M = 39.0983

計算

放射性崩壊の半減期Tと崩壊定数λとの関係は
λ= loge2/T
1kgの梅の中で核外電子捕獲を起こして放射性崩壊をしている19K40の原子数Nは崩壊の法則より次のように計算できます。
N=(1/λ)*(dN/dt)
過程2のようにβ崩壊する19K40を含めた原子数は N*100/11であるから
そのモル数nは
n=N*(100/11)/NA
従って同位体の存在比より1 kgの梅に含まれるカリウムの質量mを推定することができます。
m=M*(100/0.0118)*N*(100/11)/NA
各物理量の数値を入れて計算すると
m = 23.25 グラム

この割合でいいのかを文部科学省の食物成分表で確かめたところ
100グラム当たり2400 mg
と出ていました。多分この計算で大丈夫でしょう。
もし何か問題点があればご指摘してください。

自然のものにも放射線を出すものがあるのですね。これは避けることができないものです。
私たちの仲間が設計してくれ、一緒に製作したGMカウンタを使うとこのような自然に存在する放射能も測定することができます。
ある食品メーカーの商品から出ている19K40のリアルタイムの放射線を一緒に測ってみたこともあります。
どんどんと数値が上がっていくのを見ると自然の放射能を防げないのに、なぜこんな商品を販売するとこを許していていいのだろうと疑問を感じます。

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