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このページは1999/8/2から開かれた科学教育研究協議会第46回全国研究大会山梨大会で発表し、
その後の雑誌『理科教室』1999年12月号の実践記録を元に作りました。
『超能力を科学する』安斎育郎(かもがわ出版)を読み、幽霊や超能力などを信じる子どもたちが非常に多いのに驚きました。
私が教えている生徒たちの状況はどうか調べたくて、私は現在の学校に転勤してきたときから、6年間生徒の意識調査をしてきました。
毎年最初の授業で安斎育郎さんの本にあったものと同じ質問のアンケートを取るようにしています。
私達の学校でも大体同じような傾向にあることが分かりました。
アンケート(超能力者はいるか?幽霊はいるか?)
2004年に海外で発表したその後のアンケート調査の結果ものがあるので、合わせてごらんください。
特にここでの主張を変える必要はないと思いますが、皆さんはどう考えるか教えていただきたいと思います。
では子どもたちはなぜこのような非合理的な考えをするのでしょうか。
毎年学年のはじめには同じアンケートを取り続けて、テレビや雑誌などの影響が大きいということに気がつきました。
このように考えていたので、ある裁判の判決が出た後の番組を作る姿勢と生徒の考えに現れる変化が現れるか注目していました。
日本テレビの番組と本で紹介された「宇宙パワー」による治療を受け、自称超能力者らに現金をだましとられたとして、
九都県の難病患者とその家族が日本テレビと下請けの番組製作会社などに損害賠償を求めた訴訟の判決が出た後、
各テレビ局の番組を作る姿勢が変わり、生徒の考えにもその影響が現れたのを確認できます。
テレビ局がこのような番組をうそと知りながら放映するのは絶対に許してはいけません。
生徒たちが見ているテレビ番組と彼らの考え方との関連まできちんと調査分析しているわけではないが、
この調査ではやはりテレビの影響が生徒の考えに現れていると感じました。
実際、その影響が子どもたちの考え方に出ているのではないしょうか?
地下鉄サリン事件を扱うテレビ番組の中であまり取り上げなかった意見があります。
その意見とは、テレビなどマスコミの影響が私たち視聴者の考えに大きく影響を及ぼしマスコミの責任が大きいということです。
その頃のテレビの番組では超能力や超常現象を煽り立て、世の中は不思議なことがいっぱいで、
世の中は合理的には分からないのだといっているような番組が多いと感じていました。
科教協の山梨大会では生のデータを発表しましたが、1994年度データでは幽霊や超能力を肯定的に考えて
いるような非合理志向を示す割合が、学年が進むに従って増しています。
これは他の年度と比べて異常です。この事件は単純に一つの原因だけで起こったわけではないが、
その背景にはマスコミの及ぼす影響が大変大きいことをもっと考えないといけないと思います。
私のアンケート調査の中で、残念ながら 1996年度のデータを紛失してしまい、手元にありません。
私の記憶では、この年は1995年度とあまり変わらないように記憶しています。
1997年度から少し非合理的な考えをする生徒の数が減少しているように思います。
これは、超能力裁判の判決が出たためにテレビの番組の作る姿勢が変わったからだと考えます。
しかし、1999年度の番組の中でまたUFOや霊など、超常現象を扱う番組が増えてきたように思います。
しかも番組では公平な扱いをしているような言い訳ができるように反対論者を参加させ、
あたかも公平な扱いをしているかのような構成になっているものが多いと思います。
ここで1999年度のアンケートを取る前に私はまた生徒の非合理的な傾向が増すだろうと予想を立てました。
結果は予想通りです。皆さんはこれをどのように考えればいいと思いますか?
皆さんの学校の生徒たちはどのように考えているのでしょうか。一緒に調べていきましょう。 山梨大会でも指摘されましたが、
「UFOはいるか」という質問など少し表現上気になる質問もあるので訂正していきたいと思います。
何を調べたらいいのか話し合いをし、全国的に共通のアンケートをしていくともっと問題点がはっきりしてくると思います。
最近授業で実践し、生徒の評判のよかった教材をここに紹介します。
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アルミ缶楽器
【資料】