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雷が鳴るときの雨はなぜ大粒になるのか

1973/06/21

水の分子は酸素と水素の原子からできています。その形は 水分子模型 のように曲がっています。酸素は電気陰性度が大きく、電子をひきつける力の弱い水素原子と酸素原子が共有結合をしていることを考えてみます。
酸素分子のときと同じように水の分子全体としては電気を帯びてはいません。同種の原子からなる酸素分子とは異なり、水の分子の場合には電気的に中性であっても、結合によって共有される電子は酸素原子の方へ強く引き付けられてしまいます。
負電荷の中心は分子の内部では正電荷の中心と負電荷の中心がずれてしまうのです。
すなわち水分子は極性を持つのです。

このように極性のある雨粒に帯電した雷雲が近づいてきたらどのようなことが起こるのでしょうか。
帯電した雷雲の周りには電界ができています。その電界により水の分子は向きをそろえられてしまいます。
だから、雨粒としても極性を示すようになります。このように極性を持つようになった雨粒同士は静電気力で互いに引き合い、くっついてしまうのです。
これが夕立のとき雨粒が大きくなる原因です。

このことを確かめる実験はあるのでしょうか。次のような実験をやってみましょう。
水道の水を細いガラス管に導き、噴水を作ります。そこへ下敷きなどを帯電させたものを近づけてください。
簡単にできる実験なのでおすすめです。

強い電界を作ればいいのではないかと思い、バン・デ・グラフの静電気発生装置を使ってみました。
すると、水は大粒にはなりませんでした。
 これはなぜでしょうか。強い電界のために水の分子は整頓されるけれど、粒同士の静電気力よりバン・デ・グラフの装置が引く力の方が大きくて、
小さい粒のまま、この装置の方へ引き寄せられてしまうと考えました。
みなさんはどのようにお考えですか。

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