肝臓疾患

肝臓疾患とは

肝臓の病気と一口に言ってもその原因はさまざまです。犬の伝染性肝炎の

ようにウイルスによるもの、先天的な異常によるもの、他の病気の為に二次

的に肝臓が悪くなったもの、腫瘍性疾患によるもの、薬物や毒物によるもの

など多岐にわたります。肝臓の予備能力が大きいため、かなり病気が進行し

病変が広範囲になるまで症状が現れない事があります。動物の異常に気づい

た時にはかなり重症で、すぐさま入院治療が必要になる事もあります。健康

チェックなどで血液検査をした時にたまたま肝臓の異常が見つかる事もあります

このような場合には、殆どの動物は見かけ上、何の異常も示していませんが

早期発見が出来たのですから悪くならないうちに治療を受けましょう。

肝臓疾患の犬、猫に見られる最も一般的な症状は元気食欲不振、体重減少

嗜眠です。病状が進むと、歯茎や白眼の所が黄色くなり、いわゆる黄疸が

見られたり、嘔吐、下痢、さらには腹水が溜まったりします。病気によっては

神経症状が出たりもします。肝臓は腸から吸収した栄養素を蓄え、それらを

必要とする体の各所に送り出す働きを持っています。たま、われわれ動物が

生きて行く為に不可欠な物質を合成し、一方では取り込んだ有害な物質を

無害なものに変え、さらにそれらを排泄するという非常に大切な仕事をしています


 


食餌管理

肝臓疾患の動物では、いたんだ肝臓の組織を再生するために蛋白質の

必要量がいつもより増加するので、特に食餌には気を付けなければなり

ません。しかしながら、肝臓の病気の中には食物中の蛋白質を消化、吸収

する時に発生するアンモニアを処理する能力が著しく減少するものがある

ので、むやみに高蛋白食を与えればよいというものではありません。

異常が認められた時にはきちんと獣医師の診察を受け、適切な治療および

食餌管理の指導を受け、これを忠実に実行しなければなりません。