栄養不良

栄養不良とは

栄養不良は、疾病、環境、ストレス、食物の嗜好性などによる食欲不振、

バランス不良の食物や特定の食品に片寄った食物の給与によって起こり

ます。片寄った栄養素の食物は動物を偏食にさせ、内臓、骨格、筋肉、免疫能

などの障害や疾病の誘因になり、またそれらの回復や修復も妨げます。犬や猫

の栄養必要量は、発育期、活発に運動するとき、妊娠や授乳などの生理状態

では非常に増加しますが余り運動しない中年以上または老齢になると必要量は

少なくなります。発育盛りの犬や猫、授乳中の母犬、母猫に栄養素濃度の低い

粗悪な食物を与えると、常に満腹するほど多量に食べても栄養素が不足し、

栄養不良になります。逆に中老年の犬や猫に発育期用や授乳期用の食物を常

に与えていると、肥満になったり種々の栄養素の過剰による疾病を生じたりしま

す。肥満は栄養が良すぎるのではなく、やはり一種の栄養不良で病気の1つで

あると理解すべきです。従って食欲不振や栄養不足で痩せているだけが栄養

不良ではありません。また栄養不良は病気が原因の事が多いので栄養

不良に気づくことは病気の発見につながりますので非常に重要です。





家庭での注意点

1.発育期や若い成犬、成猫は食欲旺盛で活発に運動するのが正常です。

これらに異常がないか毎日観察しましょう。2.水を適量飲んでいるかどうか

水は常時自由に飲めるように清水を用意しておく必要があります。3.排便、

排尿、は正常かどうか。下痢や血便を排泄していないか、排便回数が多過

ぎたり、しぶりを現していないか、排尿量、排尿回数は多いか、少ないか、

尿中に血液や濁りが見られることは無いか。これらに異常が見られる事は

栄養不良の原因のみではなく、直接病気と関係する事が多いので獣医師の

診察を受けて下さい。妊娠中や授乳中の牝は胎子や新生子、乳幼子に多量の

栄養を供給しなければなりませんので、栄養価の高い食物を与えないと栄養不良

になります。また疾病その他の原因で消化障害を起こすとたちまちに栄養不良

に陥ります。注意深く観察し異常には適切な対策や処置の配慮をして下さい。