アレルギー性皮膚炎

アレルギー性皮膚炎とは
 

動物の体内にウイルスや細菌、異種動物の血液や蛋白質などが侵入すると

血清中にこれと特異的に反応する物質が作られます。これを抗体と呼び

初めに侵入してきた物質を抗原と言います。抗体が体内に生産されることは

抗原の持つ毒性を無毒化する生体の防御機構で、このような状態を免疫と

いいます。動物は母親からその胎内で、または出生直後に吸う母乳から

種々の抗原に対する抗体を譲り受けます。また成長の過程で種々の

抗原の侵入を受け、これに対する抗体を自ら生産して免疫を獲得します。

免疫を有する動物にもう一度抗原が侵入すると抗原抗体反応によって

抗原の毒性は無毒化されますが、抗体が存在するにもかかわらず抗原

抗体反応の結果、組織細胞からアセチルコリンやヒスタミンなどが多量に

遊離されることがあります。これによって病的状態が生じ、これをアレルギー

と呼び、アレルギーを起こさせる抗原をアレルゲンと呼びます。アレルギー

反応は平滑筋の収縮、毛細血管の拡張と透過性亢進などを起こし、これが

皮膚の上皮に起こりますとかゆみや発赤、さらに蕁麻疹などが生じ、

これらをアレルギー性皮膚炎と呼びます。犬や猫に生じるアレルギー性

皮膚炎は食物中に含まれるある種の蛋白質、または皮膚に寄生する

ノミがアレルゲンになることが多いと言われています。





家庭での注意点

犬や猫の生活環境を清潔に保ち、皮膚や被毛の汚れ、あるいはノミの寄生

などが生じない、行き届いた管理が重要です。複数を飼育している場合には、

一頭にノミが寄生しますと、犬同士、猫同士はもちろん、それぞれ相互に

速やかに移ってしまいます。現在は、ノミを完全に駆除または予防する方法

や薬剤が開発されていますので、獣医師に相談し、適切な指示を受けて下さい。

また食物によるアレルギーは食物中に含まれるアレルゲンを特定し、それを

食物から除去しなければなりません。アレルゲンの特定は獣医師にまかせ

なければなりませんので、アレルギー性皮膚炎が疑われたなら

速やかに獣医師の診察を受けて下さい。