悪性腫瘍



悪性腫瘍とは

体の正常な細胞が突然変化を起こし、体の統制から離れて独自で無限の

細胞分裂を起こして動物を死に至らしめる病気です。出発となった細胞の

種類から癌と肉腫に分かれます。また白血球などの血液の細胞が腫瘍化

する事もあり、猫ではウイルス感染に関連した白血病が多くみられます。

また多くの悪性腫瘍は血管やリンパ管を通して体の他の部位に移り(転移)

ます。悪性腫瘍が出来た動物は腫瘍の種類、出来た場所により症状は

異なりますが、体力の消耗が激しく、著しく痩せ、貧血もみられ、悪液質と

呼ばれる状態になって、ついには死亡します。癌や肉腫の多くは早期に

発見でき、転移する前に手術によって切除すれば治りますが、再発する

事も少なくありません。白血病や転移が起こってから発見された場合は

抗腫瘍剤による治療が主になります。腫瘍によっては治療によく反応する

ものもありますが薬による副作用も多く、特に転移腫瘍に対しての効果は

ほとんど期待出来ないのが現状です。





家庭での注意点

ウイルスにより起こる事が知られている幾つかの腫瘍を除いて

ほとんどその発生原因はわかっていません。従ってその予防法も

不明です。不幸にして腫瘍が出来た場合は早く受診して治療を

受けて下さい。手術で腫瘍を切除した場合は、高温や低温の環境

などのストレスを避け、十分な体力が保てるようにします。体表に

出来た腫瘍(例えば乳腺癌)の場合再発が無いか時々調べて下さい。

体内に出来た腫瘍を切除した場合は再発を家庭で発見する事は

非常に困難ですので定期的に獣医師の検査を受けて下さい。

抗腫瘍剤で治療中の場合は常に獣医師の指示に従い、自分の

判断で投薬を中止したりせず、異常が認められたならば直ちに

検査を受けて下さい。猫の腫瘍の多くは猫白血病ウイルス(FeLV)

感染と関連がありますので、FeLVに感染しないようにし、またかかって

しまった場合は他の猫に感染させない注意が必要です。