銅貯蔵病

銅貯蔵病とは

銅貯蔵病とは、その名の通り肝臓内に銅が蓄積してしまう病気です。

べドリントン・テリア、ウェストハイランド・テリアにみられ、劣性

遺伝することが知られていますが、他の犬種でも発生すると思われま

す。なぜ肝臓に銅が蓄積し続けるのか、その詳しいメカニズムはいま

のところ分かっていませんが、この病気になった犬の肝臓内には、正

常犬の5倍〜50倍の濃度の銅が含まれています。銅貯蔵病の一般的

な臨床症状は元気食欲の減退、嘔吐、黄疸ですが、時には溶血性貧血

を伴うこともあります。診断には血液検査や肝臓のバイオプシー(手

術あるいはお腹に針をさして肝臓の一部を取り出し検査すること)が

必要です。銅貯蔵病は臨床経過によって3つのグループに分けること

ができます。まず第一は急激に肝臓の機能が低下する、いわゆる急性

肝不全と呼ばれるもので集中治療を行っても死亡することが多いよう

です。これは、若い犬に多く発生し、何等かのストレス、例えばドッ

ク・ショー、出産などによって誘起されるようです。第二のグループ

は中年から老齢の犬に多く発生し、慢性的な体重減少や腹水が見られ

ることが多いようです。第三のグループでは全く臨床症状は認められ

ず、血液検査や肝臓のバイオプシーで初めて異常のあることが判明す

るものです。





家庭での注意点

症状が出ている動物に関しては獣医師の指示に従い、安静を保ち

ながら、薬の投与を規則正しく行うようにします。食物には十分

気を付け、もしも獣医師から処方された食物があればそれを与え

るようにします。検査の値は異常であっても臨床的に健康な場合

は、銅の摂取量を減らすことによって病気を防ぐことができるわ

けですから、栄養のバランスがよく銅含有量の少ない食物を与え

るようにします。