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B 歯車の楽器

 

ここには種種の大きさの歯車を同時に、モーターで回転させる装置があります。これを回して、どれか一つの歯車に名刺の端を当てますと、
歯は次々にパタパタと名刺を打ちますが、その都度名刺の面から空気中に音波が送り出されます。
そうして歯車の回転が相当に速くなりますと、子の音波の連続で一つの楽音として聞こえます。
その調子は回転が速い程高くなります。歯車の数は8個ありますが、それぞれの歯車の歯の数は24,27,30,32,36,40,45,48であります。
こうなっていると、それぞれの歯車の音の相互関係は、モーターの回転の速さに関係なく、常に音階の音の関係になっているのです。
つまり、48個の端数の歯車から出る音は、24個の歯のあるものから出る音に対して常に8度(オクターブ)上の音になっているわけです。
 実際には、この歯車とその軸と台は、学校(名古屋市立工芸高校)の機械科の人に頼んで作ってもらいました。
モーターの回転数によりいろいろな楽器の音に聞こえるので、非常に楽しいものです。
ある人はバイオリンの音のようだ。ある人歯トランペットの音のようだ。いやパイプオルガンだ、笙だ、といった具合です。
 それに原理が板って単純、明解なので、振動数と音の高さ、音程の関係を理解し易く発音体の振動が音になることの理解、
コオロギやスズムシが音を出す原理、虫が飛んでいるときの音、その他楽器の説明等々にはよい教材になるので便利です。


「理科ノート」No.2 山本久守 より
【追記】

現在ではJIS規格を利用すればほとんどの歯車を入手できます。しかし、シャフトなどは別に頼めば作ってもらえす。業者を紹介してほしい方はご連絡してください。
JIS規格の歯車を扱う業者ならば紹介してもらえるのではないでしょうか。(2020/03/08)

C 手作りマイコンで音楽を奏でる

 前にも述べたように、楽器の音の高さは発音体の振動の基本振動数によって定まるので、音の振動数を電気的にマイコンで決めてやっても演奏できる。
エレクトロニクス工作のサークルで手作りマイコンのIOポートにスピーカーをつなぎ、音楽を演奏することが出来た。
詳しく紹介するのは別の機会としたが、本質を理解すれば、電子音楽も奏でられることを訴えようと授業ではこの電子音楽を聞いてもらっている。

D ストローで笛を作ろう(家庭で出来る実験)

 生徒は名人芸でないと出来ないようなものばかり見せていても学習意欲にはつながらないことが多いので、
原理むき出しで、分かりやすければ、不完全でもいい、ちょっと努力すれば手が出るような実験を取り上げたい。このような趣旨で次の実験を紹介する。

【補充実験】

太いプラスチック製のストローで笛を作ってみよう。
振動片の作り方・・・・・・・・・・ストローの先をペンチで挟んで強く引っ張り、薄い膜を作る。
はさみで余分なところを切りととのえ、口に入れて吹くと音が出るようになる。
音階を作る穴のあけ方・・・・・・・・・・図のように振動片のあるところと口から一番近い穴までの長さがλ/2になることを頭に入れておき、
穴をすべてふさいだときを下のドの音とし、順次口から遠い方から穴をあけてゆく。
波長の割合は次のようになっているので比例計算で、穴の位置をきめよ。

ファ
波長の比 1 8/9 4/5 3/4 2/3 3/5 8/15 1/2

啓林館「実験ノート」より

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