お義母さんの庭でとれた
何の変哲もないトマト
くるっとひっくり返すと
あら不思議
犬の顔があるではないか
顔にはもちろん目も鼻も耳も口もあり
横から見ると
もう帰ることがない
ご主人を待つ犬のように
少し哀し気に映る
そんなトマト犬を物珍しそうに
じーっと見ていた息子が一言
「あ、モグラだ」
そんなかわいいトマトも
いくら冷凍庫に保存していても
生ものとしての限界がある
果たして喰うべきか捨てるべきか
あくまでトマトとするなら喰うべきであろう
しかし そこに犬が宿っていようものなら
とても食べれるものではない
さて どうしたものか・・・・
ここで また六才の息子登場
「モグラなんだから、土の中でしょ」
というわけで
犬の顔を持つトマトは
犬でもなくトマトでもなく
モグラとして 今
うちの小さな庭の中で
眠っている