Oregon Star Party 2011[NEW]

念願のOregon Star Party (OSP) 2011に参加してきたのでレポートを記載します。
(当パーティは8/31(水)〜9/4(日)まで開催されましたが、私が参加したのは 金曜の昼からです。)



開催地 設備 Activities
提供された情報 発電 超新星、彗星、流星
Telescope Walkabout Alvin氏の講演 Observing Awards Program
様々な人たち 散歩 Chrisの40.5インチ
Showpieces 終わりに -



遠征・Star Partyレポート Indexへ






開催地
OSPが開催されたのは米国北西部、私が住むワシントン州の南東に位置するオレゴン州Prinevilleの近郊。
北緯44度で標高は約1650mの所です。

うちから400マイル(640km)もありますが、朝4時半に出発して昼食休憩等を取っても昼過ぎには 到着できました。(米国は高速道路が充実しておりますし、現地のすぐ近く(3マイル手前)まで舗装された 片側1車線の道路がありますので安く、快適に行けます。でもこの快適さの影には多数のボランティアに よる道路整備もあったらしく、ほんとにありがたいと思いました。)

途中、写真のような雪を被った4000メートル級の山を幾つか眺め、どんな山奥でもしっかり聞こえる FM放送によるアメリカンミュージックを聞きながら気分を高めていきました。

一番近い街はPrinevilleでそこまで約1時間。まあ街といってもスーパーやガソリンスタンド、 マクドナルド、ファミレスがそれぞれ一件ずつあるような小さな所で、昔の映画に出てくるような のどかな雰囲気を醸し出していました。


このページのTOPへ





設備

現地は昨年行ったTable Mountainと同様、土と岩と短い枯れかけた草が生えている砂漠地帯。
風が吹くと砂が舞い、車が時速5マイルで走っても砂埃だらけになる過酷な環境でした。
気温は昼間が25度、夜間は5度くらいまで下がりましたが、湿度が低く、風も強くなかったので、 埃以外は快適でした。

現地には仮設トイレ、シャワートラック、巨大なゴミ箱に加えてエスプレッソのみならず 冷たいスムージーも普通の価格で提供してくれるコーヒースタンドやハンバーガーショップもあり、 手ぶらで行っても何とかなりそうな感じです。

また、巨大なテントが2つ張られ、一つは子供たちの遊び用、もう一つは著名人による講演やくじ引き 抽選会等に用いられ、中が結構暗くなるので、PCとプロジェクターによるプレゼンも昼間から 行うことができ、昼間はそこに入り浸る人も多数いました。
なお、写真で派手な格好をしているのは何回も奇抜な衣装替えをすることで有名なPresident (当パーティの最高責任者)とその奥様です。(この衣装の前はNASAのパイロットスーツを着ていました。)

店を出していたメーカーはテレビュー、Woodland Hills Telescope、Equatorial Platforms、Aurora Precision 等日本に比べれば若干少なめで地味でした。でも下の写真に示したAurora Precisionのフィルターホイールや ミラーセル、トラスジョイント等は軽くて美しく、欲しくなるものばかりでした。自作を考えている方の 参考になると思います。



このページのTOPへ





Activities

主催者側が提供してくれた主なアクティビティは以下の通りです。

☆Howard Banich: Sketching class
私が到着する前の水曜に行われ、受講者の悩みが解決していないということで、 金曜の夜にフォローアップ講演があったようですが、参加できませんでした。(Sky&Telescope誌 であのM51のスケッチをされた方による講演だっただけにとても残念です。)
☆Adult Mentoring/Youth Mentoring
星座や星の説明に加えてドブソニアン望遠鏡を使って実際に星を導入して眺める練習をさせたようです。 右の上の写真は薄明終了時にでっかい会場の中央においてレーザーポインターを使った星に関する説明を聞く為 に、参加者が椅子を持って車座になっていく様子を捉えたものです。(月齢5の月明かりの中で写したのですが、 人が動いている為しっかり写っていません。)また、下は望遠鏡の操作説明の広場の写真で、高さの異なる ドブソニアンが多数並んでいるのがわかります。
☆Hike to Indian Trail Spring
ハイキングのようです。(参加していないのでよくわかりません。)
☆The Naked Truth about the H-R Diagram
ミス・キャラクシーと呼ばれているJessicaによるHR図の見方等に関する説明。 参加できなかったのですが、後から話を聞くとかなり興味深い内容だったそうで、、。
☆Swap Meet
いわゆるガレージセール(これも到着前の行事)
☆Advanced Image Processing
写真の処理の話のようです。
☆Mel Bartels: Telescope Walkabout
これをメインにしている人も多い人気の行事。米国では自作マニアとしてかなり有名なMel Bartels が司会者となりいくつかの望遠鏡の紹介をします。(これについては後で詳細を載せます。←衝撃的でした!!)
☆Solar System Walkabout
太陽の大きさをバスケットボールと同じとみなして太陽系モデルを作り、各惑星を探して歩くというもの。 私は参加していませんが、1.25マイル歩いたそうです。
☆Alvin Huey: Observing Galaxy Groups
日本でも一部のDeepなマニア間で有名なAlvinが講演してくれるということで、これが私の最大の参加目的 でした。そして期待を裏切らない素晴らしい講演をしてくれました。(詳細は後で)
☆Announcements and Door Prizes
土曜日の夕方に頑張ってくれた全ボランティアの紹介及びその功績をたたえて、彼らを対象にした抽選会、 全ての子供に何かが当たる抽選会、そして全参加者対象の抽選会が行われました。景品はURANOMETORIAやNSOG等 数々の本やナグラー6アイピース、Orionの20cmドブなど多数。子供には教育的な本、凧、70mm程度の彼らが運べる 望遠鏡が当たりました。子供には最初に本が抽選対象となっており、当選したら(勉強しなくちゃならないので) 子供はがっかりし、親は大喜び。抽選が本から望遠鏡等に移ると子供は大喜び、親はブーイングという パフォーマンスを皆でやっていたのが面白かったです。もちろん、子供も本をもらって嬉しくない筈はないのですが、 お約束ということで、、。


このページのTOPへ





提供された情報

参加受付のところで参加者全員に全28ページの冊子が配られました。
左は裏表紙の一部です。表紙に書かれた目次を見るには下の"クリック"という文字を クリックしてください。

(目次の閲覧はここをクリック)


また、冊子全体をご覧になりたい方は下の文字をクリックしてください。ただし6MBあり ますのでご注意を!!(見終わったらブラウザの戻るボタンで復帰してください。)

(全ての閲覧はここをクリック)


冊子には始めて参加された人に対して天体観察の仕方等の説明があったり、日の出、日の入り 時刻、惑星(小惑星含む)の出没時刻/位置、Deep Sky Objectsのリスト(メシエ、Caldwell, Herschell400等)、人工衛星の出現時刻/明るさが示されたりしています。

また、H-R図を元に代表的なスペクトルの星(O,B,A,F,G,K,M)のリストを載せて、観察 を推奨しています。
ここで面白かったのが上記のスペクトルの型の覚え方で"Oh, Be A Fine Girl, Kiss Me" とのこと。これだと忘れません。

冊子のみならず、ボランティアの方々の説明も大変丁寧で、初めて参加しても全く戸惑う ことがありませんでした。


このページのTOPへ





発電

望遠鏡の制御やPCの稼動の他、冷蔵庫等の為に電気は必要です。もちろん現地は 電気が引かれておりませんので、自分たちで電気を作ることになります。

今年は幸い(?)US Forest Service(米国林野部)が現地の気候を調査して発電機の 使用を許可してくれました。(でも時間は正午から夜の7時までで、場所も限定しています。)

その他には写真に示しているように大型のソーラーパネルを使っている人が多数いました。写真中央の Wifiサービス車もソーラーパネルを積んでいますね。
風力発電の人もいました。どれくらいの電力が得られるのかわかりませんが、 静かでエコでとても良いと思います。


このページのTOPへ





超新星、彗星、流星

当日はギャラッド彗星がコートハンガーの所にいて楽しませてくれました。
また、M101に現れた超新星も10等級近くまで増光しており、5cmのファインダはもちろん、 12x36の双眼鏡でも確認できました。

数日前に発生した山火事の影響で空はいまひとつとのことでした(常連さんの透明度の 判定は7/10)がでしたが、それでも7等星やM33が肉眼で見える私的には結構良い コンディションでしたので、色々楽しめました。
抽選会の時に確認したら彗星や超新星を見た人は全体の半分くらいだったようです。 超新星は位置をしっかり把握しなければわからないのですが、皆で情報シェア したのですね。

左はそれらのラフスケッチです。少し見苦しいとは思いますが、一晩に約50天体の スケッチを描いたのでご容赦ください。

それから流れ星もたくさん見ました。(初日はスケッチに専念しましたが、2日目は 他の方の望遠鏡を覗かせて頂いたのでその待ち時間に、、。)


このページのTOPへ





Telescope Walkabout

Walkaboutとは望遠鏡のところに皆で行って紹介を受け、質疑応答などをする会のことです。
当初、こんなに多くの望遠鏡があるのだからどうやって行うのだろうと思っていたら、司会者の Mel Bartels(左の写真の中央の人)が5つの望遠鏡を選んでそれに集中し、皆が望遠鏡を 作る際の参考にしてもらおうとの説明をしていました。(単なる紹介のイベントではなく、勉強会 というイメージ)

Melは米国特に西海岸で結構有名な望遠鏡の自作マニアでして、私の18inchドブを作る際にも 軽量化に繋がるヒントを彼のHomepageから得ております。

まずは写真左上の20inchF3.3。全くメモも取らず、聞き返すこともできなかったので記憶違いが あったらごめんなさい。
彼の望遠鏡はサイドベアリングの上に直接ミラーセルが乗っており、トップリングが小さく ObsessionのUCと似たようなタイプです。サイドベアリングは2つ折りにできる為、小さな車でも 運べるとのことでした。写真ではわかりにくいのですが、上手に溶接してあり大変剛性感があって よく見えそうな感じです。また、焦点距離が短いので、ParacorrIIを使っています。
「材質は?」という質問に「アルミ」と答えると、「もっと詳しく!」との声が多数!。 「6061材です」と再度答えるとようやく皆さん納得しました。(Deepですねえ。)

Melからは「数回星を見たとのことだけど今後の課題とそのプランは?」という厳しい質問が、、。
製作者は「大きな問題はない。マイナーなものを少しずつ片付けるとともにより一層の重量軽減 に努める」との回答でした。


次は右上の写真の一本支柱のドブ。Sky&Telescope誌で以前に紹介があり、私も本HPの独り言の コーナーで紹介しています。
主鏡の蓋が私のドブの主鏡運搬ケースと酷似しており親近感を 持ちました。(私の主鏡ケースの写真を望遠鏡の写真の上方に載せています。)

斜鏡サポートがワイヤーでできていて少し離れると見えない為、「斜鏡が浮いている!!」と 騒然としました。
この方法だと斜鏡の位置決めが難しくどんなツールを使って斜鏡をセットしたのかという質問が、、。 これに対しトップリングの中心に位置させるような治具を作ったとの説明があったのですが、 最終的に治具を外すと少し動くのではないかというこれまたDeepな質問。
このドブは水平回転の所に目盛環があり、鉛直方向は私が所有しているのと同じアングルゲージが 装着されていましたが、水平出しが大変であまり使用していないとのこと。Takibasを使えば 楽勝ですが、タイミングがはかれず言い出せませんでした。

次は左の上から2番目の18inch。若い30歳くらいの人で、初めての自作品とのこと。特に注目する 点がなく、ガタもあったので、殆ど質問が出ませんでした。(このあたりはシビア)

右の赤い望遠鏡はアストロスキャンのスケールアップモデル。市販品は口径10cmですが、彼のは 20cm。アイピースもできる限りオリジナルに近いものを選んだ徹底ぶりにため息が、、。

この望遠鏡は鏡筒上部にガラスが無く、赤い棒を上から差し込んで主鏡の光軸修正ができるように していました。プレゼンもとても上手で、かなりのベテランだと思っていたら、後で紹介する Observing AwardsでLevel3を達成していました。

最後は青いウッドベースのようなドブソニアン。彼が持っているコントローラーで望遠鏡の向き のみならず接眼部のCCDの回転等も簡単にできます。
売りはギヤレス!!駆動部にギヤを用いるとうるさいし、バックラッシュがあるので、望遠鏡の 鉛直駆動は2つのモータで、ダイレクト駆動しています。
そして驚いたのが水平回転駆動方法!!右の写真にあるように下部(固定部)にマグネットを並べ、 それに向かうように回転部にコイルを20数個セットしてそれで駆動しているのです。

医療用の機器を使っている人には危険な機材ですが、凄いアイデアだと思いました。
これらの駆動方法により1秒間に40度だったかの高速Moveができるとのことで、そこまで必要ないけど プレゼンの為にはこれくらいのパフォーマンスが必要とのことでした。


このページのTOPへ





Alvin氏の講演

写真はHickson、ARP、Abelといった銀河のカタログに関するガイドブックを作成され、 日本の一部の方にも人気があるAlvin Hueyさんとその娘さんです。
この写真はFaintfuzzies.comから転用させていただいています。
彼は娘も小さく若く見えますが、30年以上も天体観察を続けているベテランです。

講演ではまず、彼が最も興味を持っている銀河団のうち、Hickson, Shakhbazian及びRose等に ついての説明がありました。(ShakhbazianやRoseの代表的な天体についての情報は Faintfuzzies.comからダウンロードできます。)

私はRoseカタログの天体観察をまだしていないのですが、Hicksonとかよりもっとコンパクトで あり、全部が木星の大きさでカバーされてしまうものもある為、かなり難しいようです。(18inch 以上の望遠鏡と良い空が必要とのこと)
また、どのカタログだか忘れましたが最も明るいものが17等星という説明があった時は、 会場にいた50名程度の聴講者(90%以上が60歳以上の大ベテラン)が一斉に肩をすくめるというか ため息をつくかといった微妙な表情をしました。

さて、Alvinがしてくれた話を覚えている範囲で箇条書きにして紹介しましょう。(話に一貫性 がないのは途中でランダムに出て来た質問に答えた為です。ご容赦ください)

・彼はHCG92(ステファンクインテット)を6in(15cm)で全部確認したことがある。
・セイファートの六つ子(HCG79)は空の条件の良い日に22inchで10回くらいチャレンジしてようやく 全てを把握することができたとのこと。まだ4回しかチャレンジおらず、しかも結構明るい所で挑戦 している私が全てを把握できないのも無理ないですね。
・HCGの99%は16inchで観ることができると彼は説明した。
・Roseカタログの中で面白いものはRose7(HCG61:The Box)。確認が困難だけど興味深いのが うしかい座のRose33。7.8等星の恒星のすぐ近く(30”)のところに4つの小さな銀河がある。(ベテラン 観測者が821倍の倍率でようやく確認したそうだ)
・Shakhbazian(米国人も発音が難しくてわからないと言っていた)カタログは16番が面白い。これは Arpも330としてカタログしているもので、Sの字を開いたような感じに配列している。
・こぐま座にあるShakhbazian166(AGC2247)も銀河が一列に並んでいて印象的。
・銀河団の観察には大きな口径が重要(Aperture Wins!)。その他暗い空、安定したシーイングも 当然ながら欠かせない。暗い銀河の観察にはWiggle(望遠鏡を叩いて視野内の像を小刻みに揺らすテクニック) が有効である。
・Alvinは22inchでは通常300〜400倍で銀河を観察しているが、場合によっては800倍以上にすることも ある。倍率を高くしてバックを暗くすることがコツである。
・アイピースはイーソスやザイス(ツアイスのこと)等色々持っているが、7mm以下の使用率が最も高い。
・導入の時は低倍率のものを使っているが、Panoptic24mmを使うことが多い。これはアメリカンサイズで 最も視野が広いからである。(高倍率のアイピースもアメリカンサイズなのでアダプターの付け替え等が 必要にならない。)
・2009年にイーソス6mmとザイス(ZAO-II)6mmを用いてNGC6745(こと座のTriple Galaxy)を比較観察した ところ、ザイスの方が詳細がわかり、ザイスで見えた17等級台の恒星がイーソスでは見えなかった。これは 初心者による観察でも同様な傾向があり、レンズ構成のシンプルさに起因していると思われる。(彼は4 Elements vs 9 Elementsと表現)
・ZAO-IIは入手が困難であるが、University Optics HD OrthoscopicsやBaader Genuine Orthoscopics、 日本製のオルソでも同様な傾向を示すので、詳細観察にはシンプルなアイピースを使うことが重要。
・Eye Guards(接眼キャップ)は詳細観察に有効。もししっかりしたものが無かったら、Agena Astroproducts等 から購入できる。
・Dark Sky Apparelが出している大きなフード付きベスト(私も持っており、当HPも独り言のコーナーで 紹介しています。)はかなり便利。8本のアイピースを携帯でき、身体の熱で露知らず、アイピース交換の為に 脚立から降りる必要もない。また、どんなに暗い場所でも若干の光が邪魔をするので、フードを被った観察は 快適である。
・より詳細に観察する為、望遠鏡を22インチから30インチ変更し、今は48インチ(120cm)を使い始めている。 ストレールレシオは0.95で大口径には充分な精度である。これを使うとNGC3842(AGC1367の一部で12.9等)のすぐ 近くになる3つのクエーサーが見えた。その時NGC3842が明るすぎて困ったそうである。
・因みに彼は21等級の天体を見たことがあるとの説明があった。


以上のようにDeepを通り越してクレージーな講演でした。


このページのTOPへ





Observing Awards Program

Oregon Star Partyも昨年参加したTeble Mountain Star Partyと同様、主催者側が 指定した天体を現地で観察し、その記録を持っていくとPin Badgeがもらえます。
夜は色々な人の望遠鏡を覗きたかったのですが、Pin Badge欲しさに一晩目はLevel1と2の 天体をミードブで観察し、スケッチすることにしました。

Level 1〜3のListを以下に示します。1及び2はそれほど難しくないのですが、一晩で 記録を取るとなるとそれなりの時間がかかります。2重星はPA(Position Angle)も意識し、 北を用紙の上にするよう指示がありましたし、空が良い為大きな星団のプロットは 結構大変です。でも一枚平均6分でで描き上げることができ、何とか2個の PinをGetしました。写真の左側がLevel 1で右の僅かに色が濃い方がLevel 2です。

(Level 1の閲覧はここをクリック)

(Level 2の閲覧はここをクリック)

(Level 3の閲覧はここをクリック)


Level 3は流石にDeepですねえ。今年は超ベテランの3名の方が達成していました。その人たちに 話を聞くとアインシュタインクロスは探すのに28インチで2時間もかかって大変だったとか、、。現地は 数日前の山火事の影響の為、日本での最高の空よりは劣っていたとは思いますが、大口径で2時間も 探し続けなければならないとはまいりました。(昨年の双望会の時に1時間ほど18インチでチャレンジしましたが 玉砕したのも納得できます。)

翌日スケッチしたもののチェックを受けに行きましたが、そこはチェックというより記録をつける 楽しみ方を皆で共有するって感じの場所でした。ある女性は天体を見た感想をそれぞれ4〜5行も書いており、 星を見た時の感動が伝わってきました。また、私がM101のスケッチにその時見えた人工衛星をプロットしていたら、 素晴らしい記録だとほめてくれました。それからコートハンガーのところに見えたギャラッド彗星を 描いてたら、移動の様子を残すともっと面白いものができた筈だよね。とか、、。

ほんとに勉強になります。


このページのTOPへ





様々な人たち

右の写真は私のテントのところから南側を写したものです。中央下のテントとセダンが 移っているのがわかりますでしょうか?これは(おそらくメキシコ人と思われる) ミーナという20歳代の女性のものです。
彼女は現地まで一人でセダンに乗ってやってきて、小さなテントを張ったのですが、 その中に入ることは殆ど無く、二晩とも明け方まで8inchのドブによる星の観察と 星景撮影をしていました。昼間は当地で知り合った多くのアメリカ人と語らい、色々な所に 出かけて行きました(ほんとにアグレッシブでしたよ)。

それからFoodショップのところで話をした年配の男性はデルタ航空のポートランド〜名古屋、成田線 等のパイロットをしていたとのことでした。おそらく私も彼の操縦する飛行機に乗っていたと思います。
私が話をしていると「はいっ」といって頷いてくれた人も複数、、。私が日本人であることを察し、 日本人がはいっと言うことも知っているのですね。

その他小さな子供から80歳以上と思われるご年配の方まで様々な人たちが楽しんでおられました。


このページのTOPへ





散歩

私は金曜日の昼過ぎに到着し、その夜はObserving Programに没頭した為、会場内に乱立している 口径20インチ以上の望遠鏡を覗いていません。昼間に太陽を15cmクラスの屈折で見せてもらい ましたが、もちろん満足できるレベルではありません。

何人かの人に講演や食事のタイミングで声をかけましたが、全て初心者の方で、大望遠鏡の オーナーとのつながりがない!!
そうこうしているうちに最終日である土曜の20時を迎えてしまいました。
MelやAlvinの講演が聴けたし、まあ良いか?!と自分を慰めましたが、やっぱり不満が残るので、 チャンスを見つけるべく会場内を散歩することにしました。
もし収穫が無くても月齢5の月に照らされた望遠鏡、キャンピングカーと星が写っている写真が 撮れれば納得できるし、、。

この時活躍したのが先日購入した超軽量のZitzoの三脚と24mmF1.4という明るいレンズです。星の観察 エリアを徘徊しながら時々立ち止まって20秒くらいの固定撮影をし、なかなか印象的な写真が撮ること ができました。(若干ピンボケだけど、、。)
会場に持ち込まれた望遠鏡の最大口径は40.5インチ(103cm)。以前にじ〜さんが彼のブログで紹介したものとは異なります。 その次がたぶん28インチ(71cm)です(上の写真の中央が28インチ)。

40.5インチの望遠鏡から少し離れた所を歩きながら「最大口径のオーナーは望遠鏡の所にいないなあ」と がっかりしていると、大き目のプラスチックケースに赤いランプを付けた、ユニークな箱が目にとまりました。

すぐ横に座っていた人に「これは何?」と聞くと「書籍を夜露にぬらすことなく見ることができる箱」 との返事が、、。う〜ん、なかなか良いアイデアです。嵩張るけど、、。次に「あのモンスターテレスコープの オーナーってどこにいるんだろう?」と尋ねると「私だが」と、思っても見なかった答えが、、。

ビッグチャンス!!「何か見せてくれる?こんな素晴らしい望遠鏡でDSOを見るために僕は日本から来たんだ!」 と巡ってきたチャンスに震えながら話すと「もちろん良いよ。ところで君は日本のどこから来た??ボクは 名古屋に何度も行ってXXX社の連中と仕事をしているんだけど、、。」

何か聞き覚えのある声、、。「その声はChris??」「そうだよ!」
もうびっくりです。本パーティ最大口径のオーナーは私の仕事仲間(といってもChrisの方が偉い)でした。 彼が天文好きだという話は聞いていましたが、まさか世界最大級のアマチュア望遠鏡を持っているとは、、。


このページのTOPへ








Chrisの40.5インチ

写真はChrisの40.5インチF4.2ドブソニアンです。接眼部は勿論2インチ対応ですが、 小さく見えますねえ。
焦点筒の下にはフィルタースライダーの切り換えをするスリットがあります。 (トップリングが大き過ぎて手を内部に入れられないので、スリットを設けて外から フィルターの切り換えができるようにしています。)

鏡筒下部のファインダー(?)は口径25cmです。すごいですね。
基本的に木で製作したそうで重量もかなりあるようです(数字を聞いたけど忘れた)。
鏡も彼のお手製で、驚いたことにガラスも6mm厚のものを9枚程度何らかの方法で重ねて造ったそうです (説明を受けたけどわからなかった)

このドブを何人で組み立てるのか尋ねたら、答えは彼一人とのこと。 驚きです。彼がほんとに一人だけで組み立てている写真がネット上にありました。
分解した部品は四角いトレーラーカーに積み込まれ、普通のSUVで牽引して来たそうです。 (下の写真の右側に写っているのがトレーラーです。)
トレーラーカーが彼の寝室だそうで、今回はOSP開催前から通算で9日間も滞在したとのこと。 (仕事が大変な筈ですが、大丈夫だったのかな??)
注目の天体導入方法ですが、基本的にナビゲータを使用しておられます。
セッティングは2点アライメントで、テルラドを使ってあっという間に行っていました。
導入用接眼レンズはパンオプティック35mmで倍率は123倍、0.55度の視野になります。 私も通常130倍0.5度で導入していますから問題ないと思いますが、ナビの調子が悪く 迷子になってしまった時には、脚立の上から「ナビの数字を読んでくれ!」と頼まれること がありました(周りには老眼の人が多くて数字が読めないからおまえが読め!と言われて 私が支援することが多かったです)。

大口径で難しいのが脚立を正しい位置に持っていくこと。
できるだけ接眼部に脚立を 近づけたいのですが、近づきすぎると誤って脚立を望遠鏡にぶつけてしまうことがあるので、 結構難しいです。Chrisは高さ5mを超える脚立の扱いもほんとに上手で一人で軽々とセッティング していました。
実はこの脚立、彼の自作とのこと。移動させる時は若干ねじれる等の 剛性不足が見受けられますが、場所を決めて移動用のタイヤを跳ね上げ地面に固定すると 微動だにせず、4mのところまで登っても全く不安はありませんでした。まさに絶妙な剛性 バランスで重量最適化もされていたと思います。

望遠鏡の操作感(追尾)は良好です。小口径に比べて若干重いのですが、止めたい所で ほぼピタッと止まるので視野の狭さは全く気になりません。さすがに天頂近くになると 望遠鏡の水平回転が大きくなる為重くて大変です。ですからChrisはあまり高度の高い天体は 導入しませんでした。



このページのTOPへ





Showpieces

Chrisは「前日にDeepな観察をしたので、今晩(土曜の夜)はBus Driverに専念する。 みんなどこでも行きたいところを言うように」と言い、希望する天体を次々に見せてくれました。

天体を観察する時にとても役に立ったのがFilter Slider。O-VやUHCを使うと惑星状星雲や散光星雲のみ ならず、銀河の腕も見え方が変わって面白かったです。では主な天体を見た印象を以下に示します

☆NGC4565
一番最初は運転手の希望で彼が最も好きなNGC4565を導入。地平線すれすれでしたが、空が良かった為 暗黒帯も見えましたが、私のドブで条件の良い時に見るよりも見栄えがしませんでした。
☆二重星団
月があまりにも明るいので月の反対側の星団を見ようということになり、初心者の若い人からの リクエストで見ました。若干光軸のずれがあるようで、星が点状にならずすっきりとした像ではありませんでしたが、 2つの星団の中間に位置する赤い星が鮮やかで印象的でした。(一応視野ぎりぎりに2つの星団の中心が見えていました。)
☆M16/M17/M20
低空で近くの月の影響もあったため、ノーフィルターではいまひとつでしたが、O-VやUHC越しでは それぞれ異なる表情を見せ、かなり外側まで広がる淡い星雲部と、シャープに切れ込んだ暗黒部 が素晴らしかったです。
☆NGC7510
これもバスドライバーのお奨め。私の好きな星団でもあり、同じようなものが好きだとわかって嬉しくなりました。 でもこの星団はもう少し低倍率でごちゃごちゃに並んでいる様子を見るほうが好きです。
☆球状星団
その他M52、NGC663等の散開星団を一通り見たら見るものが無くなったので、私のリクエストによりメシエの球状星団 めぐりを開始。どれも視野一杯に星が広がり、小口径で見られるようなスターチェーンは認識できない。ともあれ 凄い迫力でした。
☆NGC7009
誰かが木星状星雲を見たいと叫んだのですが地平線下である為、代わりに土星状星雲を眺めました。内部構造はよくわから かったのですが、アンテナ部分がすごく明るく目立っていたのが印象的でした。
☆M57
明るさが半端でなく素晴らしい眺めでした。ただ、楽に見えると思っていた中心星はよくわからず、、。 そのことをChrisに話すと「アメリカでは惑星状星雲を見るとみんな中心星の話をしてしまうな!どうやら日本も同じ ようだな」と、、。
M57の視野を少し振りIC1296に向けると、S字型の腕の部分がよくわかりました。こんなに簡単に見えるなんて、、。
☆M51
第一印象は腕が細い!!ということです。その腕にもそして腕と腕の間も様々な濃淡があり、雲状のところや 恒星、暗黒帯等色々な構があって、見飽きません。Chrisの指示に従いUHCやO-Vフィルターを通して観ると、 表情ががらりと変わるとともに見える構造が異なって面白かったです。これまで銀河にフィルターは効果がない という通説を信じていましたが、あっさり崩れました。
☆M33
写真よりももっと階調豊かに見えました。そして大きい!!フィルターを使うとH-U領域の構造もよくわかり、 探査機から見たような感覚になりました。
☆キャッツアイ
光軸の僅かなずれとシーイングの影響及びあまり高倍率ではなかったことが災いし、詳細構造が把握できま せんでしたが、見事なエメラルドグリーンで、宝石のようでした。この色は写真では決して表現できないし、 20インチクラスの中口径(?)でも無理だと思います。(何人かの人がキャツアイが一番良かったと言っていました。)
☆M76
これは凄い!!Little Dumbbellはどこにあるのだろうと思ってしまうほど様々な濃淡のガスが広がり、 今まで観たことがない光景でした。
☆ARP330
私の好きなARP331と勘違いして接眼部を覗いた為、最初は何が見えているのかわかりませんでしたが、 じっくり観ると15〜18等級の銀河が明るい恒星の近くにインテグラルの鏡像状に並んでいるのが見えました。 この配列は興味深かったです。
☆NGC891
じっくり観ると暗黒帯の中にも複雑な構造が存在していることがわかります。また、近くのAGC347に筒を 向けるとたくさんの銀河が目に飛び込んできて、とても賑やかでした。
☆NGC253
Chrisがお奨めと言って見せてくれた銀河。高度が15度位であったにもかかわらず、複雑過ぎて表現できない ほどの構造が見えていました。
☆ステファンクインテット
そらし目なしで5つが見えるだけでなく、それぞれの腕らしき構造が見えて圧巻。前の日に25cmで必死になって そらし目で5つ目を確認しようとしたのが嘘のようでした。


このページのTOPへ





終わりに

昨年のTMSPと同じく、私が参加している間はずっと快晴という素晴らしい条件下で様々な アクティビティや星空を楽しむことができました。

今回も車の運転をしてくれたNobに感謝。
また、30名くらいのボランティアの方がいらしたのですが、彼らの多くは会社をリタイヤした 60歳以上で、色々なことの楽しみ方を教えてくれる先生みたいな感じだったので、 とても勉強になりました。たぶん1年前から入念な準備をしておられるのでしょう。ほんとに 素晴らしいパフォーマンスでした。

同じ職場(彼の仕事部屋は私の所から歩いて30秒の所)のChrisと偶然であったのも幸運でした。
あの晩は明け方近くまでずっと1mのドブを覗かせてもらうことができ大満足です。しかも後日お礼に 伺うと、今度の新月期にまたどこかで星を見ようと誘ってくれました。(ありがたい話です。)

さて次は双望会かな?


(おしまい)


このページのTOPへ