物語〜天体鑑賞スクール


[注意] 以下に示すのはフィクションです。内容についての責任は持てません。 ただし、登場する天体は実在しますので、ご自分で鑑賞されることをお勧めします。


少女C: 「コーチ、夜一人観望していると怖くない?」
コーチ: 「そういえば先日、観望場所に人骨が転がっていたんだ。でも僕は恐怖を感じなかった。 どうしてなのかはわからない。でも怖くなかった。全てはここに留まっているものなのだ、と僕は思った。 留まって、動かないものなのだ。
骨は清潔で静かなものなのだ。彼らは完全に死んでしまっているのだ。」
少年A: 「それで??」
コーチ: 「するとどこからか音楽が聞こえてきた。それはどこかのオーケストラが 甘く演奏するビートルズの『ノルウェーの森』だった。そしてそのメロディはいつものように僕を混乱させた。」
少年B: 「??」
コーチ: 「それから僕は人骨をスーパーマーケットの紙袋に入れて車の後部座席 に置き、近くの金物屋でシャベルを買った。そして実に久しぶりにラジオのスイッチを入れ、 ロック・ミュージックを聴きながら西に向かった。大抵はつまらない音楽だった。メリサ・マンチェスター、ビージーズ、KCアンド・ザ・サンシャインバンド、ドナ・サマー、 ボストン、コモドアーズ、シカゴ、ケニー・ロギンス、、、。そんな音楽が泡のように浮かんでは 消えていった。くだらない、と僕は思った。ティーン・エイジャーから小銭を巻き上げるためのゴミのような 大量消費音楽。
でも僕はそれからふと哀しい気持ちになった。
時代が変わったのだ。それだけのことだ。」
少女B: 「なんだか有名な作家が書いた小説の一部みたいね?」
少女C: 「誰かな?あっ、わかった。村上龍じゃない?」
少年B: 「ひょっとして、限りなく透明に近いブルマ?」
少女B: 「B君、面白すぎ!ブルマが透明に近かったらめちゃめちゃエッチだよね。
でもこれは村上龍じゃなくて春樹の方じゃないかな?」
少年A: 「きっと当たりだよ、コーチのズボンの後ろポケットから文庫本のノルウェーの森と ダンス・ダンス・ダンスがはみ出しているし、、。」
少女C: 「きっと文学にも通じていることをアピールしたかったんじゃないかな?
でも村上春樹じゃあんまり重みが無いなあ!」
コーチ: 「(聞こえないふりをして)さあ、皆さんも星を見た時の様子を文学的に表現してみましょう。」
少年A: 「出張の疲れ、仕事の緊張感から解き放されるひととき。
スーツを脱いだ瞬間、自分以外踏み入ることができない聖域が現れ、心地よい眠りへと誘われる。
その寛ぎと癒しがあるからまたここへ戻ってきてしまう。」
コーチ: 「出張とかスーツとか子供の表現じゃないよね。 これってXX観光ホテルの広告に載っているやつじゃないのか?」
少年A: 「ばっ、ばれたか。でも渋いと思わない?」
少女A: 「ねえ、こんなのどう?
宇宙卵とは、2つの極を持つ、2極分布の象徴、生命体の小宇宙として広く愛された概念だ。 時間の誕生を意味し、シンボライズされる言葉は『復活』。」
コーチ: 「その回りくどいインテリっぽい表現は、名古屋の劇団JJCの 芝居の台本からのパクリだな!おそらく1990年に上演された『さよなら三角また来て牛乳』じゃないか?」
少女A: 「すごい!コーチ、何でも知っているのね!」
コーチ: 「別に君たちが私の家の書棚の本の中の話をしているだけだよ。
さて、これから恒例の目に関する天体を見てみようか!
みずがめ座にあるNGC7293を導入して!」
少年B: 「大きいなあ!これのどこが目なの?」
コーチ: 「この天体は少し前に『神の目星雲』に関するチェーンメールによって 有名になったやつだよ。
この天体を見たマットデニスが『エンジェルアイズ』という曲を作ったらしいですよ。」
少年A: 「ほんと〜??」
少女C: 「うそに決まってるじゃない!コーチ、これって螺旋状星雲っていうのでしょ?」
コーチ: 「正解!この星雲はなんと2.5光年の大きさに広がっているんだ。」
少年C: 「それって地球の何倍?」
コーチ: 「えっ?えーと、えーと、、。」
少年C: 「約19億倍でしょ!」
コーチ: 「なんだ、知ってて聞いたんだ!性質悪いな!」
少年C: 「質問している間にインターネットで大きさを調べて、エクセルで計算したのさ! 昔は理科年表が無ければ天体の大きさや距離がわからなかったけど、今なら何でもネットで調べられるね!」
コーチ: 「君っていくつだよ?!」
少女B: 「そういえばコーチの服装と髪型、昔っぽいね!」
コーチ: 「これは昭和54年からプチセブンに掲載された、 『姉妹坂』の柚木冬梧をイメージしたんだ。彼って、かっこよかったからね。」
少年B: 「お得意の回顧録だよね。そこまでして読者に受けたいのかな?」
コーチ: 「今日はこれでおしまい。」
少年・少女: 「え〜っ??もっと見たかったのに、、。」
コーチ: 「ネタを考えるのは結構疲れるんだよ。誰かがネタを提供してくれば頑張るんだけどね。」
おしまい


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