物語〜天体鑑賞スクール3

 

[注意]

以下に示すのはフィクションです。内容についての責任は持てません。ただし、登場する天体は実在しますので、ご自分で鑑賞されることをお勧めします。

 

コーチ:

「え〜、本日の天体鑑賞スクールは、自動導入が使えません。ですから頑張って手動で導入してくださいね。」

少女A:

「おじさん!」

コーチ:

「おじさんじゃなくてコーチです。何度言ったらわかるのかね!」

少女A:

「コ、コーチ、どうしてそんなことができるのですか?」

コーチ:

「わっはっは!どうしてなのかは後でわかるよ!まずはエリダヌス座のNGC1535からだ!」

 

(ウィーン、キュィーン、)

コーチ:

「自動導入できないと言っているのに、無駄な努力をしてるなあ!」

少年B:

「くそっ!何故できないんだ!」

コーチ:

「君は一応小学生という設定だから"何故だ"と言う時は、ひらがなで”なぜだ”と言いなさい。まあ、とにかく手動で導入することだね。」

少女A:

「コーチ!やっと導入できました。何だか青白い星雲状のものが、、。」

コーチ:

「多分それですね。それは通称クレオパトラの瞳と言います。」

少年A:

「瞳なら2つ見える筈ですけど?!」

コーチ:

「君もひらがなで"はず"と言いなさい。で、これはクレオパトラがウインクしているのですよ。そういえばずいぶん昔のことですけど、この天体を見たある人が"君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)"という曲を作ったというのは有名な話ですね。」

少年A:

hontokayo?!kitto orega umarerumaenohanasidasi。」

コーチ:

「こら〜っ!ローマ字でしゃべるな!!」

少年A:

「ほんとかよ!!きっと俺が生まれる前の話だし。」

少年B:

「何だか前々回と同じ感じの会話になってきましたけど、、。」

コーチ:

「いいのです。ねた切れになるまでやりますから。じゃあ次はおとめ座のNGC4438です。」

少年B:

「えっ?それってまだ昇って来ていないんじゃないですか?」

コーチ:

「よくわかったね。でもこうすれば見えるはずだよ。」

少女A:

「すごい!確かに見えてる!!」

コーチ:

「この天体はすぐ近くのNGC4439とペアで"The Eyes"と呼ばれます。解像度の高い写真を見ると、アイパッチをつけた目つきの悪い人の顔が浮かび上がってきますよ。」

少年A:

「やっぱりEyes(合図)ってあるじゃん。コーチはこの間合図は変だと言っていたのに〜。」

コーチ:

「おだまり!!そろそろ暑くなってきたから外に行こうか?」

少年・少女:

「え〜っ??」

コーチ:

「君たちは白々しいね。ここがプラネタリウムの中だってことは、最初からわかっているじゃないか?」

少年B:

「だから自動導入ができなかったり、星が急に昇って来たりしたんだ!! 時々ウルトラマンが飛んだり、同じところに流星が流れたりしていたし、、。」

 

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コーチ:

「さて、みんなセッティングは終わったかね?終わった人は球状星団M92を導入しなさい。」

少年B:

「これは明るくて素晴らしいですね。なぜこの天体を選んだの?」

コーチ:

「この星団は ”Forgotten(忘れられた)” と呼ばれることがあります。 殆どの人は近くの大球状星団M13を見ることに集中して、忘れてしまうからです。

だから私はM92のことがかわいそうでならないのです。他にもリング星雲の近くにあるM56球状星団やうさぎ座のM79球状星団、カシオペアのM103などがかわいそうだと思います。

これらは地味なので、たとえベテランに見せてあげても喜びません。因みに先日のXXXサミットで色々な方にM103やM79を見てもらったのですが、全員一言もしゃべらずに去っていきました。」

少女C:

「かわいそう。」

コーチ:

「僕ってかわいそうでしょう?!」

少女C:

「違うの。見せてもらった人たちが、、。」

コーチ:

「ど、どうして??」

少女C:

「地味なものを見せられ時、何と言えばいいの?よく見えますねえ!じゃおかしいし、きれいというわけでもないし、、。きっとすごく辛かったのだと思うわ!」

コーチ:

「げっ!!そうだったのか?!他人に見せる時は気をつけなくちゃならんな!!

そういえば前回の授業参観の時、皆があまり見ない天体を見せて自慢しようと思って、MちゃんのママにM73を見せたら無言だったな!あの時はてっきり感動したのだと思っていたけど違うのかもしれないな。

やっぱりM74くらい派手なもの(←どこが??)を見せなきゃ感動して抱きついてくれないよな、、。」

少年A:

「コーチ、何ぶつぶつ言っているの??」

コーチ:

「あっ、何でもない。じゃ次回は授業参観にします。Mちゃん、ちゃんとママに来るように伝えるんだよ!」

少年B:

「えっ??また授業参観??最近、多くない??」

コーチ:

「いいのです。曇ってもやりますからね。!!さあ最後に“いつものやつ”やって終わりましょう!」

少年・少女

あめんぼ赤いなあいうえお。うきもに小エビも泳いでる。
柿の木栗の木かきくけこ。きつつきこつこつ枯れケヤキ。
ささぎにすをかけさしすせそ。その魚浅瀬でさしました。
立ちましょラッパでたちつてと。とてとて立ったと飛びたった、、、。

少年B:

「どうしてこんなことしなきゃならないの?」

コーチ:

「発声練習は生活の基本です。それに将来新天体発見の記者会見できちんとしゃべれなかったら恥ずかしいでしょ。

口を大きく開けてお腹が動くように腹式呼吸をしながら発声しなさい。」

少年・少女:

なめくじのろのろなにぬねの。納戸にぬめって何ねばる。
鳩ぽっぽほろほろはひふへほ。日なたのお部屋にゃ笛を吹く。
まいまいネジ巻きまみむめも。梅の実落ちても見もしまい。
焼き栗ゆで栗やいゆえよ。やまだに火のつく宵の家。
雷鳥は寒かろらりるれろ。れんげが咲いたらるりの鳥。
わいわいわっしょいわいうえを。植木屋井戸がえお祭りだ。

少年・少女:

「ふ〜う。終わった!」

コーチ:

「おつかれさん。しっかりとした声を出すと気持ち良いけど、徹夜明けでは貧血で倒れるので注意してくださいね。」

少年・少女:

??

 



おしまい



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