物語〜天体鑑賞スクール


[注意] 以下に示すのはフィクションです。内容についての責任は持てません。ただし、登場する天体は実在しますので、ご自分で鑑賞されることをお勧めします。


コーチ: 「え〜、本日から天体鑑賞スクールは中級クラスになります。これまでと異なり明るいメシエは出てきませんので頑張って導入し、味わってください。まず、りゅう座のNGC6543から見てみましょう。場所はりゅう座のツェータ星から、、、」
少女A: 「おじさん!」
コーチ: 「おじさんじゃなくてコーチです。」
少女A: 「コ、コーチ、みんな自働導入機なので、場所なんてわからなくても平気です。」
コーチ: 「君たちは場所も知らずに導入する気か?でもこれが時代の流れなんだな。仕方が無いか?!」
(ウィーン、キュィーン、)
コーチ: 「一斉に動き始めると凄い音だなあ!あっ、Mちゃん、鏡筒が下向いていますよ。また初期セットを間違えましたね。あとで居残り特訓をしましょう。三角ダッシュ(リゲル〜ポルックス〜アルデバラン)30周!!さあ、皆さん導入できましたか?倍率は100倍以上にして下さいね。何が見えますか?」
少年B: 「青白い玉!」
コーチ: 「そうです、これが闇夜の猫の目に似ているのでキャッツアイ星雲といいます。なかなか印象的ですね。」
少女A: 「コーチ!目なら2コ見えるはずですけど。」
コーチ: 「猫がウインクしているのですよ。それに2つ見えるのならキャッツ合図(アイズ)になっちゃって変でしょ。♪プライベート・アイズ(ホール&オーツ作)なら良いけど。そう言えば20数年前にアメリカのロックグループ、サヴァイヴァーが、この星雲を大きな望遠鏡で眺め、アイ・オブ・ザ・タイガーっていう曲を作ったというのは有名な話ですね。」
少年A: 「ほんとかよ!!20年前なんて、おれ、生まれていないし」
コーチ: 「静かに!次はカシオペア座の散開星団NGC7789です。たくさん星が見えてきましたね。文献によると星数は1000個位あるそうです。先日コーチも数えてみたのですが、253個のところでわからなくなってしまいました。」
少女A: 「どうやって数えたの?」
コーチ: 「アイピースを覗きながらひとつひとつ塗りつぶしていったのです。」
少年・少女: 「うそだ〜」
コーチ: 「おだまり!!信じない人はETに食べられちゃうぞ!」
少年A: 「ETはそんなことしないもん」
コーチ: 「ETはEating Turkey(人食い七面鳥)の略です。だから怖いのです。次はNGC457 ET星団を導入しなさい。」
(ウィーン)
コーチ: 「どうですか?皆さん、アンバランスな目がユニークで良いでしょ。」
少年B: 「ほんとだ、面白い。2本の手もありますね。これがEating Turkeyなの?」
コーチ: 「Eating Turkeyは私の創作です。アメリカではET星団と呼んでいますが、他にもアフターバーナーを焚いたF18戦闘機なんていう名もありますし、日本の一部ではバルタン星人とも呼んでいます。このようにカシオペア座には面白い天体がたくさんあり、他にはNGC663散開星団やNGC281散光星雲などがあります。今日は時間が無いのでこれらは宿題にしましょう。では最後にオリオン座の棒を持った手のところにあるNGC2169に行きましょう。何が見えますか?」
少女C: 「わからない」
コーチ: 「天頂プリズム使うと像が裏返しになるので外してね。」
少年C: 「あっ、わかった、星がたくさんある。」
コーチ: 「当たり前じゃないですか、これは星の配列が数字の"37"のようになっているでしょ。」
少年B: 「ひょっとして逆さま?」
コーチ: 「そうそう。足を広げて股の間から覗いてね!そうすればちゃんと37に見えるから」
少年B: 「み、見えるけど、しんどい。」
コーチ: 「あたりまえです。どんな姿勢でも目を正しい位置に置いて覗かなければなりません。今は中級クラスですが、上級クラスに入るとイヤミのシェ〜ッの格好で望遠鏡を覗く訓練があります。」
少女B: 「話が古すぎてよくわかんない。じゃあ、武富士ダンサーズの決めのポーズで覗くこともあるのですか?(←これも古い!)」
コーチ: 「よくわかったね。でもそれは師範クラス。もちろん踊った後に覗くという過酷なものです。その時アイピースに息を吹きかけ曇らせたら上級クラスに降格になります。」
少年B: 「天体観望って大変なんだなあ。」
コーチ: 「そうです。大変なのです。体を鍛えなければ遠征にも行けません。では今日はここまで。次回はコートハンガー、クリスマスツリー等を鑑賞します。長時間に及ぶので、バッテリーの充電を忘れないで下さい。」
少年・少女: 「はーい。ありがとうございました。」
コーチ: 「さあMちゃん、特訓だ。初期セットからやってみて!!ちがう、ちがう、初期セットは鏡筒を西に向けるの!!西は北極星に向かってお茶碗を持つ手の方!!あっ、君は左利きか??ややこしいなあ。えっ?星が見えない??鏡筒のフタ外した?まったく〜」


おしまい


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