1970年代に活発になされたCharles LongらのEnd position Theoryと筋電図による検証で、2リンクの関節理論モデルにおいて、12の手指運動を説明している。しかし、この理論モデルでは「第3の力」が必須であり,骨間筋や虫様筋等が考えられるが、実際の筋電図上ではっきりと認められるものが無く、将来の課題の一つである、と結論付けている。

しかし、今回「第3の力」を用いず、浅指屈筋・深指屈筋・指伸筋で12の手指運動を行うと、MPとPIPが逆転する2種類の動き以外は、指伸筋の緊張と浅指屈筋の収縮でMP関節、指伸筋の緊張と深指屈筋とでPIP関節で屈曲できた。(屈曲は屈筋のみで行っているのではなく、伸筋が関与している)

特に、MP関節の剪断方向の動きと指伸筋腱側索の作用が重要な条件であることが分った。