むき出しになった文化遺跡
2006.10.30〜11.09
By k.toshihiko
私は不思議でたまらないことがある。
日本の弥生遺跡や縄文遺跡は地中にある場合が多い。1メートルほど掘ると遺構が出てくる。大昔のことだからチリも積もれば、1メートルくらいの土中にあっても不思議でなんかないと言われるかもしれない。
それが日本では千年前の遺跡でも土中から出てくる。100年前でも。
それが、モロッコではむき出しになっている。
迷路のような町並みは1千年も前の「遺跡」である。
砂漠の真ん中を走るカスバ街道に点在する「カスバ(城壁)」は崩れかかってはいるものの「地上」にある。
そればかりてはない。
その「遺跡」で暮らす人々の、言語、動作、表情、つきあい、などの文化は千年の昔から変わらないように思えてならない。
日本では、1年前の事が変わってしまう。100年前の言語、動作、表情、つきあいなどの文化は地上にも残っていない。「一分のたましい」すら残っていない。
