BLACK BOX 01             
          
BLACK BOX 1

小 咄

親指をしゃぶる男の子に、母親が教訓を与えた。

「坊や、親指をしゃぶると、お腹が大きくふくれるのよ。
ほら、あそこのおばさんを見てごらんなさい」と、
道を通っている妊婦を指さした。

何日かたって、母親はお客さんを呼んで小さなパーティを催した。
出席した婦人の中に妊娠した人がいたが、
坊やはその夫人に近づいていってニヤニヤ笑いながら言った。
「おばちゃん、おばちゃんがどうしてお腹が大きくなったか、僕知ってるよ」


ある男が歩いていると一匹のカエルに出会った。するとそのカエルは突然喋り出した。
「もしあなたが私にキスしてくれれば、私は美しいお姫様になれるの」
男は、にやりと笑ってカエルをポケットに突っ込んだ。
カエルは驚いて「ねえ、聞いているの。あなたがキスしてくれれば私はお姫様になれるのよ。
あなたのそばにずっといるわ」
男はカエルを取り出すと、またにやりとして、再びカエルをポケットに突っ込んだ。
「何なのよ一体、私はお姫様なのよ、ずっとあなたのそばにいて、あなたの言うことなら何でも聞くわ」
男はカエルを取り出して言った。
「おまえはバカか?美しいお姫様よりも、しゃべるカエルのほうがずっと価値が高いんだよ」

ある学者がムカデを使った実験をしていた。
最初に彼はムカデの足を3分の1切った。
「歩け!」
何とか歩いた。
次にムカデの足を半分に切った。
「歩け!」
ムカデは動かない。
学者は実験ノートに書いた。
「ムカデは足を半分に切ると、耳が聞こえなくなる」

精神病院で自分はナポレオンだと信じてる患者がいた。
あるとき、医師が
「なぜキミは自分がナポレオンだと主張するんだ」
と訊くと、その患者は、
「神様がおまえはナポレオンだと言った」と答えた。
すると、すぐそばにいたべつの患者が怒った顔でこう言った。
「おれはそんなことを言った覚えはない!

頭のいい男が、占い師を困らせてやろうと一計を案じた。
「喜びそうなことばかり言ってくれるのはいいから、今度は俺がどういう人間なのか当ててみな」

「そうですか、それでは……。まず、あなたは三人の子のお父さんです」
「ほれみろ、間違いやがった」頭のいい男は言った。「俺は四人の子の父親なんだ」

占い師は静かな声で言い返した。
「それは、あなたがそう思ってるだけです」



吟 詠

秋思    許渾

h樹西風枕簟秋,
楚雲湘水憶同遊。
高歌一曲掩明鏡,
昨日少年今白頭。

秋思

h樹(きじゅ)の 西風  枕簟(ちんてん)の秋,
楚雲 湘水  同遊を 憶(おも)ふ。
高歌 一曲  明鏡を 掩(おほ)ふ,
昨日の 少年  今は 白頭。

秋 思     許 渾
     
h樹の西風枕蕈の秋
楚雲湘水同遊を憶う
高歌一曲明鏡を掩う
昨日の少年今は白頭

<日本語読み>
しゅう し         きょ たん

きじゅの せいふう ちんてんの あき
そうん しょうすい どうゆうを おもう
こうか いっきょく めいきょうを おおう
さくじつの しょうねん いまは はくとう


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