空想歴史文庫

鄭和


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略伝

てい わ
鄭和
(1371〜1434?)

 中国・明代初期の人物。
 雲南地方のイスラム教徒の家に生まれ、最初、馬和を名乗る。十三歳の頃、明の洪武帝(朱元璋)によって雲南が制圧された際に捕虜となり、宦官(去勢された男子)として朱棣(のちの永楽帝)に仕える。
 その後、靖難の変で功を立てたことにより太監(宦官長)に抜擢され、1405年〜1433年にかけて七回にわたって行われる海外遠征の司令官に任命される。
 全長120メートルにも及ぶ大型ジャンク船に約百隻の随行船を従え、乗組員は二万八千人にも達した空前絶後の大艦隊だったといわれ、東南アジアからインド洋を越え、遂にはアフリカ大陸東海岸にまで到達し、ヨーロッパの大航海時代に先立つ偉業を成し遂げた。
 七度目の航海の帰路において病没。鄭和死後、明王朝にとって海外遠征は財政を逼迫する要因以外の何ものでもないと判断され、鄭和の残した航海記録は焼き捨てられたという。
 享年六十二。


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