空想歴史文庫

ドルゴン


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略伝

ドルゴン
(1612〜1651)

 中国・明代末期〜清代初期の人物。
 清王朝初代皇帝ヌルハチの第十四子。武勇・知略に富み、覇王としての威風を備えていた。
 父・ヌルハチが明軍との戦いで戦死したときはまだ十五歳と若年であり、兄のホンタイジが跡を継ぐ。八旗を率いて明軍を度々撃ち破り、皇帝ホンタイジを凌駕する実力と声望を内外に知らしめた。
 ホンタイジ急死の際には、その子である六歳の順治帝をたて、自らは摂政となって事実上の清の最高権力者として君臨する。
 明王朝が李自成の乱によって滅亡すると、すかさず明の名将・呉三桂を傘下に引き入れて直ちに李自成を討ち、他勢力をも次々と平定して中国全土を支配下に治め、清王朝三百年の基礎を築いた。
 実力・名声ともに皇帝に相応しかったが、帝位に就くことなく突如病に倒れ、急死した。
 死後、順治帝より謀反の嫌疑をかけられ称号・爵位などが剥奪されたが、清王朝中華支配実現がドルゴンの手により為されたものであることは紛れもない事実であり、第六代の乾隆帝の頃になってようやくその名誉が回復された。
 享年三十九。


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